景時ハピバに合わせたかった…;
とりあえずオメデトウ永遠の27歳!!
迷宮序盤の青海的突っ込み。
景望です。
『終業式のお迎えが選べたっていいじゃない!』:其の一 迷宮かげのぞ。
明日からは待ちに待った冬休み。成行きで現代に来てしまった八葉たちともこれで心おきなく過ごせると、望美は友人たちの誘いも断わってひとり昇降口に向かっていた。八葉ほか皆と一日中いられることは確かに嬉しいのだが、出来るならあの人と二人で、と願ってしまうのはいけないだろうか。
ふと、先刻の譲とのやりとりを思い出す。
今日も一緒に帰ろうと一年の教室の前を歩いていた。当然望美の「帰ろう」には有川家に寄るも含まれている。教室を覗くと、譲の姿がない。不審に思った望美に近付く足音。
「…春日先輩、」
「譲くん!何処行ってたの!?」
「すみません。あの、今日」
「終礼は終わったんだよね!じゃぁ早く帰ろう。皆待ってるし」
まくし立てる望美を制し、紡がれた言葉は期待はずれのもの。
「帰れません」
「ぇ…どうして?」
「部の集まりがあって…。明日からも練習がありますから、多分そのことだと思うんですけど」
「そんな…」
いつも明るい望美が見せる沈んだ表情。不可抗力な事態とはいえ、辛い。異世界で出会った人と恋に落ちた望美でも譲にとって大切な姉貴分なのは変わらない。
「せ…」
「折角譲くんのごはんにありつけると思ったのに!」
沈んでたのは飯の為らしい。指を鳴らし大仰に悔しがる望美に嘆息する。そういえば彼女は昔からこうだった。
「まったく…。今日は朔の料理で我慢してください」
「譲くん…。-あっ待ちなさい!」
「ひとりで…いや、気をつけて帰ってください」
「?」
「じゃぁ俺はこれで」
意味深な言葉を残して譲は教室へと消えて行った。
…そして今に至る。
校門の前のひとだかりを見た望美は少し騒がしいな、と思っただけで、特に気にも留めず、先ほどの譲の言葉を反芻していた。
(なんでわざわざ言い直したりしたんだろ。まさかね、お迎えなんてそんなことあるわけないか!)
「望美ちゃん!」
呼ばれた声に顔を上げると、校門に立つ海色の髪を後ろに流した長身の男。カーキ色のロングコートがどこか古風な印象をあたえる。ただでさえ八葉は誰とて目立つというのに、彼はサングラスをしていた。
望美を呼んだだけで、こちらに来る気配はない。学校は部外者以外立ち入り禁止と以前注意したのを覚えているのだろう。
帰ってきたばかりの頃、学校まで付いて来てしまった白龍を譲とふたりでこっぴどく叱っ
たのだ。その場に居合わせた朔に言い過ぎとも言われたがこっちにだって体裁がある。甘
やかすわけにはいかないのだ。
校門付近のやじ馬はいつの間にか二人に道をあけていた。白龍の時とは比べ物にならない注目度に望美は潰れそうになるのをなんとか堪え、彼に笑顔で応えた。
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続きます…;
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